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Reiko News



 ■ママのひとりごと 2006年7月20日号


天人菊の悲しみ

  クラブ岩アの夏子ママから桑名正博さんのディナーショーのチケットをいただいた。
ロイヤルホテル、光琳の間♪ 乾杯をして、フルコースをいただき、ショーは始まった。
主題は「沖縄」。 白髪は増えたけれど、さすがにかっこ良く歌はうまい!

 ショーも佳境を越えた頃、一人の写真家の紹介があった。 
仲田千穂。24歳の可愛い女性だ。 彼女は19歳の時、授業中に先生から「特攻花って知ってる?」と聞かれて、初めてその花の存在を知ったという。
 
 太平洋戦争中のこと、沖縄を包囲するアメリカ艦隊に向け喜界島から特攻出撃する若い隊員たちに、島の娘たちは赤い可憐な野の花を贈っていた。
隊員たちは「花も一緒に散っていく」のは忍びないと、ある者は空から花を落としある者は滑走路にそっと花を置き、沖縄の空へ去って行ったという。
その花の種が風に舞い、いつしか喜界島の滑走路周辺に群生するようになったとか・・・
天人菊(てんにんぎく)という美しい名を持つその花は、島の人たちに「特攻花」と呼ばれ今も暖かく見守られているそうだ。

 彼女は同じ年頃で散った若者の魂に導かれるように、19歳で島を訪れ以後五年間に渡って通い続け写真集まで出したのだから、その思いは半端ではなかったのだろう。
沖縄の白い雲青い空で始まったショーは赤い「特攻花」で一服し、「セクシー・ヴァイオレット・NO.1」のアンコールで締められた。
戦争を知らない子供たちも早晩「還暦」を迎える。 時は流れた。
天人菊という美しい名前を持つ花が「特攻花」という悲劇的な名前で呼ばれる悲しみ。
その悲しみがふたたび繰り返されないことを祈らずにはいられない。 

麗子


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