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Reiko News



 ■ママのひとりごと 2007年6月10日号


「父の日近く」

 父は今年91歳。 目も見えるし、自分の足で歩くし、頭も確かである。
「上通り森口」開店の二週間後に5年間寝たきりだった母を看取り、それ以来やもめ暮らしだ。
生来器用な人で、お一人様OKである。(軍隊のおかげか?)

 その父が86歳の時、大腸癌を患った。 それまでは80歳を越えたら何があっても手術はしない、と言っていたのに、突然手術をする。闘うと言い出した。 
あれから5年。 今は私とランチを食べその後カラオケに通う毎日である。 夜10時店の宴もたけなわの頃、必ず電話が入る。 
店の子は合点承知で「ママ、ジージです。」と受話器をよこす。 最近ではお客様までが「ジージか?」と聞くようになった。

 父はひとこと「明日はうどん。」とか「明日はマーメイド。」とのたまって切る。
 私は「はい。」だけ。
うどんは門真駅前スーパーいづみやの「いづみ茶屋」、「マーメイド」は同じ敷地内のイタリアン・レストランで、父の終の二店である。 どちらも店の人達が全員素晴らしい! 
毎日のように行くわけだが、明るく声良く良く動く。気持ち良い。 父が最後に選んだ理由が分かる。

 食べ終わったら門真駅で別れ私はお京阪で淀屋橋へ、父はカラオケ「マドンナ」に行く。
門真駅ホームの西の端まで行って少し待っていると、線路越しに中央環状線の高架下を父の白い小さな頭がポクポク、ポクポク歩いていくのが見えた。 去年までは・・・
今年からは駅前からタクシーで「マドンナ」に行くようになった。 心臓が持たなくなったのだ。
駅ビルの窓からタクシーに乗った父の白い頭が消えていくのを見送る。 少しでも長くこの平安な日々が続くように祈りながら。 父の日も近い。

麗子


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