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Reiko News



 ■ママのひとりごと 2007年12月23日号


「上通り森口」を誕生させた人

 父が逝った。 2007年12月17日午前1時15分。
家族を愛し、家を愛し、カラオケを愛して逝った。
91年のほとんどを達者で生きたのだから、決して不幸な人生ではなかったと思う。
ただ、あまりにも長く深い愛情はそれを失った者にとって大きな痛手となる。

「親の心、子知らず」であった。
父は何かを感じていたのだろう。 この一年、毎夜10時になると店に電話してきた。
そして「明日はマーメイド。」「明日はうどん。」と、翌日のランチの約束をとりつけた。
私は「はい、はい」と生返事で切るが、忙しい時には「こんなピークの時間帯に電話してくるなんて」と一人プリプリした。
父は店の状態を気にしていたのだ。 毎日・・・

 振り返れば14年前。1993年の12月。
父が15坪足らずの古家を担保に提供してくれて、「上通り森口」は誕生した。
オープンは翌1994年1月17日。 朝からドンガラガッチャン雨で気も萎える。

 「こんな日に出てくださる方があるんだろうか?」などと思いながら靴を履いていると後ろから「吹き降りはゲンがええんやで。」 今も忘れぬ父の声がしっかり背中を押してくれた。
一周年はまさかの大震災。 バブルの崩壊と共の五年。
経営は楽ではなかったが、老人を「家なき子」にするわけにはいかない一念で権利書を父の手に返した。
  一人娘を心配して、百歳まで生きる人だと信じていた。 けれど限度はあるものだ。
10月12日、父の入院とともに税務調査も入ったが、代わりにがんばってくださった高田先生、店の子等に感謝している。
 何より二ヶ月もほったらかし、お歳暮もせずに来てしまったお客様に心からお詫び申し上げねばならない。この一年間もほんとうにありがとうございました。 
12月15日、父が私に残した最後の言葉は「おき、ばり、やす。」だった。

 皆様お元気で素晴らしい新年をお迎えくださいませ。           

麗子


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